■ 民美講師によるコラム - 006
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2005/10
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「8月のつぶやき」 西村 幸生
私は知っている
いるべき場所にいることの安心を 変えようとして変わらないことの苛立ちを 遅れてきた世代の私には、立ち向かうべき 相手がつかめない あったことが無いことになり、 無いことがあったようにいわれ 歴史は繰り返すのか 安逸の中で、知らぬ間に手を 血で染めてしまう臆病さに、おののいた 風車に立ち向かった、かのスペインの 騎士のように、小心者の私には、巨人に 臨もうとする狂気は どこから来るのか知らない 私は知らない 流された血が、時と場所により、 そんなにも重さが違うことを 私は知っている 失われた血と失われた命が天秤で 量られて捨てられていることを 私は知らない 倒れた人たちの夢を、求めたものを 私は想っている この国からなくなろうとしているものが なになのかを |
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